チームワークをすすめるための基本


○施設の理念、使命、目標を確認し、それを基本にして援助目標を職員の合意のもとで決め、そこに戻って進める。援助の考え方、援助の方法など違いがあるにしても、まず、原則に戻ること。

○協働の努力の必要をしっかり理解していることを前提に(そのための研修が必要)、協働の努力を守るために、仮に違う考え方があるとしても、自分で一歩引くことを学ぶこと。

仕事の役割を明らかにし、責任をはっきりさせ、職員の協力によって初めて仕事が進むことを確認すること。

○個々人の役割・責任を明確にして上で、同僚に対する気配りと忙しい時や疲れているときなどの相互協力の姿勢と感謝の態度。

○異なる職種・職域、同僚への相互理解、尊重を深める。そのためにそれぞれの職域の仕事、同僚の仕事を理解しあう努力をすること。

○同じ水準で考えあい、同じ程度の水準で仕事が出来るようにするために、職員一人ひとりは、資質向上のために学ぶ姿勢をもつと共に、施設としての学習、研修の機会を作ること。

○職員の話し合い、意見交換などの機会をもち、職員参加によって協議し合意してそれを基礎にして仕事に取り組む体制をつくり、仕事の進め方、考え方に不具合ができたら、少数意見を尊重しながら大胆に見直しをすること。

○情報を必要に応じて適切に伝える仕組みをつくり、情報を共有すること。

記録や申し送りのメモも情報となり共有に欠かせない。

○忙しく、張りつめて働くだけでは、ゆとりをもって周囲が見えない。

働きやすく、精神的にも安定して働ける環境と人間関係づくりに努力すること。

それがゆとりある職場をつくり、思いやりの余裕も生まれる。

○リーダーはチームワークの輪が崩れそうな状況をキャッチし、指導・修正するための中心になること。リーダーの役割は大きい。


チームワークの不協和音

○施設の理念・目標・方針、あるいはそれが基になっている援助(サービス)の考え方・進め方などについての無理解や考え方にずれが出てきたとき。

○業務の組織化が遅れていたり、業務分担など役割が不明確なために、責任の所在が不明確なとき。

○職員の考え方の違いを放置していたり、職員の資質がアンバランスである為に、援助の考え方や方法が違い、個々人のかってな方法で進めるとき。

○情報が適切に伝えられず、異なる情報で働いたり、リーダーシップが発揮されず、方向が不明確なとき。

○多忙さや職員の少ない状況が長時間続き、職員が疲労し、互いに思いやりができなくなるなど、相互の援助がかけてきたりしたとき。

*このような時に、チームワークが乱れ、協働の和が機能しなくなることが多い。こうした状況が見え始めたら、リーダーはチームワークを進めるために適切な方法を見出し、実施しなければならない。




福祉施設の課題


施設が施設の中での生活に閉じこもり、自己完結しやすいことは、すでに指摘されているが、日常的で定期的な援助業務を継続することが多い為に、マンネリ化しやすいし、閉じた環境であることもあって、援助業務が固定化・保守化しやすいという問題を抱えている。

また、職員配置の条件の問題は依然として残っているが、その中でも業務の合理的効率的改善についての努力・工夫は必要であり、そのためにも、業務の現状をできるだけ客観的に的確・適切に認識し、自覚して、改善できるところは改善するという業務の見直しの視野を常にもつことが重要である。

 マンネリ化しやすく、保守化しやすいことを理解し、改革し、変革する意識をもつことの大切さを理解しておきたい。


業務の進め方と勤務


継続する援助業務を、限られた職員で24時間、365日、労働条件の課題を守って実施していくことは厳しいことである。
 しかし、それを解決する方法として、ローテーション勤務が組まれ、日々、職員が交代して配置されることになる。職員個々人が、そのローテーションの意味をしっかり理解し、専門職者の責任としてローテーション勤務を守る意識・自覚を促すことが重要である。

しかし、最も重要なことは、施設で生活している人々・利用者の生命を守り、生活を安定させ、安心感を促し、豊かにしていくことである。

勤務形態・勤務時間は、利用者の援助の必要や生活リズムをまず先行させる視点で考え、職員の都合が先行することは極力避けるべきである。

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